肩こりについてのコラムも5回目となりました。今回も前回に引き続き具体的な原因をご説明していきます。前回までは、姿勢や冷え、眼精疲労や体型にも肩こりの原因が潜んでいることを紹介しました。それらの他にストレスからくる肩こりも存在します。
ストレスと聞くと、人間関係や仕事上のトラブルなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、例えば舞台に上がって話をしなければならないなど、緊張する場面に遭遇することも、体にとってはストレスです。また、寒すぎたり暑すぎたりと温度や湿度によって不快に感じる事もストレスとなります。
ストレスが強い状況にさらされると、交感神経が刺激されます。交感神経とは、脈拍や呼吸をはやめたり、筋肉が瞬時に働けるように緊張度を高めたりする神経です。
ストレスが過度に加わり過ぎることにより、防御反応により交感神経が働き続ける状態になってしまいます。
すると、全身の筋肉が緊張します。肩こりの原因となる抗重力筋も例外ではありません。更に、血管自体をも収縮させ細くさせてしまうため、筋肉の中では血流障害が起こり、筋肉疲労から肩こりを招きます。
他に体に適していない下着の装着、下着による体の締め付けという原因もあります。
ボディラインを気にする方は、男女を問わず少なくないでしょう。しかし、気にしすぎるあまり、きつすぎる下着を着けると、肩こりを招く場合があります。
下着による必要以上の体の締め付けは、体にとってはストレスです。また、その装着が長時間になると、体だけではなく心に対してもストレスを与えます。すると、自律神経のうちの交感神経を刺激して、体全体の筋肉の緊張を招き、肩こりにつながったりします。
また、特に女性においてですが、バストサイズとブラジャーのサイズや形が合っていないと、肩紐が鎖骨や肩甲骨を下へ押し下げたり、バストの重さが肩紐を介して鎖骨・肩甲骨にのしかかってしまいます。すると、頭と腕の重さに加えてバストの重さも支えようと抗重力筋は更に働くため、筋肉の疲労から肩こりを招いてしまいます。
3回にわたり6つの具体的な原因をご説明しました。日常で頻繁にあり得る原因だと思います。日常生活の中でちょっと意識すれば症状が緩和するかもしれません。
では、これらの原因を踏まえてどのように肩こりを対処していけばいいでしょうか。次回からは当院でも行っている簡単な体操をご紹介していきます。