毎週お送りしている「肩こり」についてのコラムも第3回となりました。第2回までは肩周囲や首の骨の構造やどうして肩こりが起こってしまうのか体の中で起こっている出来事を説明してきました。
この回からは数回に分けて、日常生活での肩こりの具体的な原因をご説明していこうと思います。
まず、一つ目の原因として長時間同じ姿勢、好ましくない姿勢の保持ということが挙げられます。
上記のような姿勢をとっている場合や、姿勢を変えることなく長時間作業を続けた場合に肩こりが発生しやすくなります。
好ましくない姿勢とは、背中が丸くなっている猫背で、両腕が胴体よりも前に垂れ下がった状態です。また、顎を突き出し胴体よりも顔が前へ突き出された状態(何かを覗き込むような格好)もよくありません。この姿勢を取り続けると前回も説明したように首の後ろや肩周りの筋肉が必要以上に使い過ぎてしまい、疲労や痛みへ移行していきます。一時的にこの姿勢をとることは問題ありませんが、日常生活の中でそのような姿勢を長時間とり続けていると、筋肉は働き続ける必要が出てきます。そうすると、筋肉自体が収縮し続けることにより血管を圧迫し、筋肉が酸欠となり“こり”が生じるため良くありません。
二つ目の原因として冷えすぎるといったことが挙げられます。
冬やエアコンの効きすぎる部屋にいるなど、外気温が下がると、体温を上げるために筋肉が収縮し、熱を産生します。その状態が続くと筋が緊張し続けるようになってしまい、肩こりの原因となります。寒い季節になると、首をすくめたくなりませんか?首周囲の血管から散熱するのを防ぐために肩の筋肉が収縮する防御反応になります。この動作も長時間行うと肩の筋肉が疲労を起こし肩こりの原因となることがあります。寒い日はマフラーやストールを使用し、首や肩を冷やさないように気を付けてください。
三つ目の原因として眼精疲労挙げられます。
眼の疲れが、肩こりに影響を与えるケースもあります。
適切に視力矯正がなされていないことが、眼の疲れを招く理由の第一位を占めています。長期間、近視や遠視などの視力の障害があるのに、視力を矯正するための眼鏡やコンタクトレンズを使用しないでいると、眼自体はもちろんですが、眼の周りの筋肉、そして体全体の筋肉をも緊張させます。これは、対象物にピントを合わせるため頭の位置を微調節しているために支えている首の筋肉が使い過ぎてしまうためです。
特に近視があるのに視力矯正していない人が本を読んだりコンピュータで作業すると、自然と身を乗り出したり顔を対象物に近づけるなどしてしまうため、姿勢が悪くなってしまいます。これらが肩こりを招くといわれています。
以上の三つ以外にも原因があります。次回はその他の原因についても詳しくご説明していこうと思います。
肩こりにも必ず原因がありますので、思い当たることがあった場合は出来る範囲で意識して改善してみてください。
普段でもこのような原因で肩こりを起こすのをご存じの方が大勢いらっしゃると思います。しかし、なぜこのような原因が肩こりを引き起こすのか詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
肩こりも含め、体の不調は原因が存在します。その原因を予め知っていると、どのように日常を気を付ければいいか。また、どのようにすれば改善できるかがわかってくると思います。
次回は引き続き、肩こりの具体的な原因を説明していきます。