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【コラム】膝前十字靭帯損傷後のリハビリテーション2

前回に引き続き前十字靭帯術後のリハビリについてです

術後3か月以降は運動量・負荷を上げていき、スポーツ復帰を目指したリハビリが中心となります。

ジャンプ・アジリティ(方向転換・加速・減速など)・ランニング・ダッシュなどの基本的な動作から競技特性を考慮した複合動作を行う時期です。

 

〇術後中期~後期(3~6ヶ月)
 目的練習参加への準備、全身の連動性・耐久性の改善、負荷量の増加。

リハビリ内容
 手術後3か月からは練習へ参加するための準備期間となります。そのため、運動量・負荷を上げていく時期にな

ります。片足でのスクワットやジャンプ動作・止まる動作・切り返す動作・ダッシュなどを行っていき、膝だけでなく股関節や足関節、体幹を含めた全身の連動性や全身耐久性の再獲得が必要となってきます。

ただし、この時期から負荷を上げていきますが、膝の不安定感や再受傷の恐怖感などがあるため無理に上げていく必要はありません。個々の状態に応じて負荷量を決定します。

 

次回は術後後期以降(6ヶ月~)のリハビリテーションについて掲載します。

1月外来担当医

1月の外来担当医師のお知らせ

水曜日

1/8 岩噌医師

1/15 福田医師

1/22 眞田医師

1/29 本田医師

 

土曜日

1/4 田中医師

1/11 野呂瀬医師

1/18 野呂瀬医師

1/25 田中医師

以上になります。

ご不明な点がありましたらクリニックまでご連絡ください。

【コラム】労災保険とは

労災保険とは?

はたらく方を守ってくれる労災保険、そんな労災保険について簡単にご紹介します

労災保険とは仕事中や通勤中に事故・災害にあって、ケガをしたり、病気になったり、体に障害が残ったり、死亡した場合などに保障を行う制度です

 

また、災害にあった被保険者の社会復帰や、遺族への援助なども行います

業務中のケガや病気は「業務災害」、通勤中に起こったものは「通勤災害」となります

 

 

業務中や通勤途中のケガで病院を受診するときは健康保険証は使わないようにしましょう

健康保険証は仕事に関係のない病気やケガのための制度なので労働災害には使えません

 

労災は予期せぬときに降りかかります

労災保険について知っておくといざというときでも困らず対応できるのではないでしょうか?病気やケガをしないことが一番ですが、もし起こってしまった場合には頼れる制度があることを覚えておいてください

労災①

【コラム】膝前十字靭帯損傷術後のリハビリテーション

今回のテーマは膝前十字靭帯術後のリハビリについてです。

術後は炎症がおこり,腫れ,熱感,痛みが強くなります。日常生活に支障がでるため,まずは怪我をする前と同様に日常生活を送れるようになるためのリハビリを行います。

 

○術後早期1(術直後~3か月)
目的:腫れなど炎症の改善、関節可動域・筋力の改善

正常歩行獲得

リハビリ内容
術後は患部の炎症が強く、また足の循環が悪くなっています。そのため、患部のアイシングとふくらはぎの循環改善が最優先されます。ふくらはぎへのマッサージはもちろんのこと、足関節を動かすことでふくらはぎの筋肉を動かし循環を改善させます。その他、物理療法と言われる低周波や超音波を使用することで、患部回復を促進させます。
また、活動量が多くなりすぎると炎症を増悪させてしまいますので歩く距離や時間に気を付けてください。一つの指標としては腫れや痛みが翌日に強くなったりしたときは注意が必要です

 

○術後早期2(術直後~3か月)
目的:腫れなど炎症の改善、関節可動域・筋力の改善

正常歩行獲得

リハビリ内容

術直後は膝関節の炎症や筋肉の硬さにより、動かしづらさや筋力低下が起こります。この時期リハビリでは膝関節への負担を軽減していくために、膝関節の関節可動域の拡大と筋力訓練が主体になってきます。関節可動域訓練では動きを阻害する筋肉や皮膚その他の組織の硬さの改善したあと膝の曲げ伸ばしを行い,関節可動域を獲得していきます.

筋力訓練では膝関節の動きに重要となってくる膝蓋骨(いわゆるお皿)の動きを改善させる大腿四頭筋の内側広筋斜走線維(もも前の筋肉)のトレーニングを主体に行っていきます。スクワットや足上げなどの筋力訓練を行い、特にもも前の筋力回復を図ります.

また,この時期患部の状態をみて松葉杖を外すことになりますが、膝関節への負担が増えますので、松葉杖が外れたからといって歩く量を増やしても良いということではありません。

acl7 acl8

acl10

 

 

 

12月外来担当医師

12月外来担当医師のお知らせ

水曜日

12/4→岩噌医師

12/11→眞田医師

12/18→福田医師

12/25→眞田医師

 

 

土曜日

12/7→野呂瀬医師

12/14→田中医師

12/21→田中医師

12/28→野呂瀬医師

 

となっております。

ご不明な点がございましたら当院へお問い合わせください。

【コラム】骨粗鬆症と治療

骨粗鬆症とは

骨は古くなった骨が吸収される「骨吸収」と、新しい骨が形成される「骨形成」を繰り返しています。そのバランスが崩れ「骨吸収」の働きが上回ると骨がもろくなり「骨粗鬆症」になります。

骨粗鬆症

写真:左は骨粗鬆症の骨 右は健康な方の骨

原因

女性に多く ①閉経 ②加齢 ③遺伝 ④生活習慣(偏食、喫煙や過度の飲酒、屋内生活など) ⑤内服による副作用 ⑥病気(甲状腺機能亢進、関節リウマチ、糖尿病など)などが原因となります。

骨粗鬆症は「骨の生活習慣病」ともいわれ生活習慣病の改善も重要です。

 

症状

自覚症状がほとんどないですが、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。

①     背骨の骨折(腰痛や身長が縮む、背骨が曲がる) ② 手首や太ももなどの付け根の骨折

 

診断

骨密度測定(当院ではDXA法)、必要に応じて採血や採尿検査で骨代謝の確認をします。

 

次回の「骨粗鬆症②」で骨粗鬆症の治療法についてご紹介します。

 

骨粗鬆症治療

骨粗鬆症の薬は大きく3つに分けられ、内服や注射があります。

①     骨吸収を抑える薬 ② 骨形成を助ける薬骨 ③ 吸収と骨形成のバランスを整える薬

 

骨粗鬆症対策・治療

①     骨に重要なカルシウム(目標800㎎/日)、カルシウム吸収に必要なビタミンDやビタミンK、たんぱく質を多く含んだ食品を上手に組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。

②     散歩や軽い筋力トレーニングなど適度な運動をしましょう(カルシウムが蓄えられやすくなります)。

③     日光を15~30分程度浴びましょう(ビタミンDが活性化しカルシウムの吸収が高まります)。

④     喫煙、過度なアルコール摂取を控えましょう。

⑤     過度なダイエットや偏食を避けましょう。

⑥     処方された薬を自己判断で終了しないようにしましょう。

 

症状が出にくい病気であるものの、進行すると繰り返し骨折することもあります。

骨粗鬆症を理解し、生活習慣を見直し、気になることがあればご相談ください。

 

【コラム】膝前十字靭帯損傷

今回は「膝前十字靭帯損傷(ACL損傷)」損傷についてお話したいと思います。

 

膝前十字靭帯(以下:ACL)とは膝関節の靭帯の中で最も重要とされている靭帯で、

ACLを断裂すると膝崩れを生じるためスポーツを行うことが難しくなります。

acl1

ACL損傷はそのほとんどがスポーツ活動中に起こります。

主に方向転換、減速や停止、着地動作などで靭帯に強いストレスが加わることで受傷します。

acl2

ACL損傷の治療法としては保存療法か手術療法があります。

保存療法は仮に同じスポーツに復帰できたとしても、再び膝崩れを起こしたり、

ベストパフォーマンスを発揮できないことが多いです。

また膝不安定感が大きくなり、半月板損傷などの障害も発生しやすいとされています。

このことからスポーツ復帰を考えた場合は手術療法が第一選択となっています。

 

手術療法はACL再建術といわれ、手術によりACLの代わりとなる靭帯を移植します。

自分の筋肉である腱を使い、ACLとして移植します。

 

ACL再建術後におけるリハビリの最大の目標は「※機能的な膝」の獲得です。

術後のリハビリテーションとして炎症やリスク管理に注意しながらスポーツ復帰へ展開します。

 

次回はACL損傷のリハビリ内容をお伝えします。

※ある物が本来備えている働きのこと