スポーツ整形外科・一般整形外科・リハビリテーション科
【コラム】腱板断裂~リハビリ編~
2021/03/1
腱板断裂のリハビリテーション
腱板に損傷があると(棘上筋腱の損傷が多い)、上腕骨が関節窩にうまく収まることができなくなってしまうため、残った筋肉を強化して安定化を図ります。また、肩関節の動きは様々な部位が連動して動く関節であり、肩甲骨や胸郭などの動きに問題がある場合も改善を図る必要があります。
腱板断裂後のケアとして、よくゴムチューブを用いた腱板トレーニングが挙げられます。
ネットで検索すると、分かりやすいトレーニング方法が多く掲載されていますので、調べてみてください。
今回はチューブがなくても自宅でできる、肩甲骨や胸郭にアプローチしたトレーニングの例を、2つご紹介します。
※肩の痛みが強い場合や、熱っぽさを感じた場合は運動を控えましょう。
1. Cat & Dog(肩甲骨、脊柱の運動)
① 肩の真下に両手、股関節の真下に膝が来るように四つ這いの姿勢になります。
② おへそを覗き込むようにして、背中を丸めながら上に持ち上げていきます。
肩甲骨を内側に寄せ、骨盤を前に倒し、胸を上に引き上げるようにして背中を反らしていきます。肘が曲がらないように注意しましょう。
10回1セットとし、1日に2~3セット程度行います。
2. 肩甲骨の運動
① 息を吸いながら肩を上に引き上げます。
② 息を吐きながら下に引き下げます。
③ 息を吸いながら胸を張るように左右の肩甲骨を内側に引き寄せます。
④ 息を吐きながら左右の肩甲骨を離すように背中を丸めます。
ゆっくりと3~5回程度くり返し、1日2~3セット行います。
これらのエクササイズは一部となります。全ての方に適応するわけではありません。
リハビリでは一人ひとりの身体の使い方を分析し、適した運動方法を提供することで早期改善を目指します。