スポーツ整形外科・一般整形外科・リハビリテーション科
【コラム】腱板断裂~総論~
2021/03/1
腱板断裂とは
腱板断裂とは、肩関節に付いている腱板(4つの筋肉の総称)が、繰り返しかかるストレスや外傷、加齢などによって切れた状態、または傷ついた状態の事です。
腱板は①棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋の腱で構成されており、肩関節を安定させる役割を持っています。
病態
腱板が断裂すると、腕を挙げた時に、肩峰と上腕骨頭に切れた腱板が挟み込まれて痛みが生じます。
損傷の程度により、完全断裂と不全断裂(部分断裂)に分かれます。
60歳以上では加齢性変化(年齢と共に腱板の機能が落ちて弱くなること)による変性断裂、
10~30歳ではスポーツに関る不全断裂が多く、
40歳以上で無症候性の断裂が34%に認められています。
症状
主な症状としては
・腕を挙げようとした時に痛む(運動時痛)
・じっとしていても痛む(安静時痛)
・痛みが強くて眠れない(夜間痛)
・肩がだるく、力が入りにくい(脱力)
・腕を挙げた時に「ポキポキ」「ギシギシ」といった異常音(軋轢音)がする
・腕を挙げる、あるいは下げていく時に60~120°の間で強い痛みが生じる(有痛弧)
などがあります。
今回のコラムでは腱板断裂とはどういったものかご紹介させていただきました。
次回のコラムで腱板断裂のリハビリテーションについてご紹介します。