スポーツ整形外科・一般整形外科・リハビリテーション科
【コラム】骨粗鬆症と治療
2019/11/15
骨粗鬆症とは
骨は古くなった骨が吸収される「骨吸収」と、新しい骨が形成される「骨形成」を繰り返しています。そのバランスが崩れ「骨吸収」の働きが上回ると骨がもろくなり「骨粗鬆症」になります。
写真:左は骨粗鬆症の骨 右は健康な方の骨
原因
女性に多く ①閉経 ②加齢 ③遺伝 ④生活習慣(偏食、喫煙や過度の飲酒、屋内生活など) ⑤内服による副作用 ⑥病気(甲状腺機能亢進、関節リウマチ、糖尿病など)などが原因となります。
骨粗鬆症は「骨の生活習慣病」ともいわれ生活習慣病の改善も重要です。
症状
自覚症状がほとんどないですが、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
① 背骨の骨折(腰痛や身長が縮む、背骨が曲がる) ② 手首や太ももなどの付け根の骨折
診断
骨密度測定(当院ではDXA法)、必要に応じて採血や採尿検査で骨代謝の確認をします。
次回の「骨粗鬆症②」で骨粗鬆症の治療法についてご紹介します。
骨粗鬆症治療
骨粗鬆症の薬は大きく3つに分けられ、内服や注射があります。
① 骨吸収を抑える薬 ② 骨形成を助ける薬骨 ③ 吸収と骨形成のバランスを整える薬
骨粗鬆症対策・治療
① 骨に重要なカルシウム(目標800㎎/日)、カルシウム吸収に必要なビタミンDやビタミンK、たんぱく質を多く含んだ食品を上手に組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。
② 散歩や軽い筋力トレーニングなど適度な運動をしましょう(カルシウムが蓄えられやすくなります)。
③ 日光を15~30分程度浴びましょう(ビタミンDが活性化しカルシウムの吸収が高まります)。
④ 喫煙、過度なアルコール摂取を控えましょう。
⑤ 過度なダイエットや偏食を避けましょう。
⑥ 処方された薬を自己判断で終了しないようにしましょう。
症状が出にくい病気であるものの、進行すると繰り返し骨折することもあります。
骨粗鬆症を理解し、生活習慣を見直し、気になることがあればご相談ください。