スポーツ整形外科・一般整形外科・リハビリテーション科

コラム

【コラム】腱板断裂④

2016/01/28

 

今回は腱板断裂のリハビリについてお話しさせて頂きます。

 

 

腕が挙がるためには、脊柱(背骨)や肩甲骨や鎖骨などの正しい動きが必要になります。

そのため、脊柱、肩甲骨、鎖骨がきちんと動くようになると、腕は誘導されるように楽に挙げられるようになります。

 

 

例えば、猫背のような姿勢だと脊柱、肩甲骨、鎖骨が十分に動けなくなってしまいます。

このまま無理腕を挙げたり、腕を回したりすると肩峰と上腕骨頭がぶつかり合うことになります。

 

そうすると、断裂した筋肉がより傷むことや、痛みがより強く出るなど様々な危険があります。

 

 

 

また、腱板が完全に切れてしまっていても、中には腕を挙げられる人もいます。

つまり、腱板が腕を挙げる動作のすべてを担っているのではなく、周りの筋肉も上手く使えると、腱板断裂している状態でも腕を挙げられるようになります。

 

 

ここで、自宅でも簡単にできる肩甲骨周りの筋肉のトレーニング方法を紹介します。

1.肩甲骨内転

左右の肩甲骨を脊柱に近付け、胸を張るようにするトレーニングです。

これは、猫背のような姿勢の予防、改善だけでなく、腕を挙げるときに必要な脊柱の動きの練習にもなり、比較的痛みが少なく簡単にできるトレーニングになります。

内転

 

2.負荷量が高い肩甲骨トレーニング

ボールを使いながら壁を押すようにすることで、肩甲骨を安定化させる作用のある筋肉を鍛えることができます。座った状態や立った状態よりも、仰向けで寝ている状態のほうが腕が挙がりやすい場合は、肩甲骨の安定化に関わっている筋肉の機能が低下している可能性があります。そのため、肩甲骨を安定化させる作用のある筋肉のトレーニングをすることで、より腕を挙げやすくなります。

肩甲骨スタビリティ 

ここでは、代表的な2つのトレーニング方法を紹介しましたが、人によっては痛みが出てしまう場合もあります。そのため、一人ひとりに合った方法でリハビリを進めていくことが大切になります。

 

また、肩の痛みがある場合は痛みを避けようとして別の部位に過剰な負担をかけるような姿勢をしがちです。その結果、二次的な痛みを生じることもあるため、トレーニングだけではなく、ストレッチやリラクゼーションすることも大切なリハビリの一つになります。

 

今回で腱板断裂についてのお話しは最後になります。最後までご覧頂き、ありがとうございました。

 

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